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札幌地方裁判所 昭和42年(ワ)1143号 判決 1969年4月18日

原告 高山健一

被告 北海道機材コンサルタント株式会社 外一名

主文

被告らは連帯して原告に対し金一四二万八、一六九円およびうち金一三二万八、一六九円につき昭和四二年九月二五日以降、うち金一〇万円につき昭和四四年四月一九日以降完済にいたるまで年五分の割合による金員を支払え。

原告のその余の請求を棄却する。

訴訟費用はこれを五分し、その一を原告の負担とし、その余を被告らの負担とする。

この判決は第一項に限り仮に執行することができる。

事実

第一、当事者双方の申立

一、原告

「被告らは連帯して原告に対し、金一七五万七、九七四円およびうち金一六五万七、九七四円につき昭和四二年九月二五日以降うち金一〇万円につき第一審判決の日の翌日以降完済にいたるまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は被告らの負担とする。」との判決ならびに仮執行の宣言。

との判決

二、被告ら

「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」

第二、請求の原因

一、本件事故の発生

被告小鹿弘は、昭和四一年六月一日午前一時三分ころ普通貨物自動車(札四や五八六九号)(以下「加害車」という)を運転して札幌市中の島二条三丁目附近を平岸方向から幌平橋方向に向つて進行中、車道左側前方を同方向に歩行中の原告に加害車を衝突させた。

二、原告は、本件事故により脳挫傷、頭皮裂創、顔面擦過傷、仙骨骨折の傷害を受け、更にその手術中血清肝炎を併発し、これらの治療のため昭和四一年六月一日から同年七月二六日までの五六日間及び同年八月一三日から同年一二月二四日までの一三四日間入院し、同年一二月二五日から昭和四二年八月まで通院した。このほか、原告は本件事故により歯牙外傷の傷害をも受けてその加療に二ケ月を要した。

三、被告らは、次の事由により原告の蒙つた本件事故による後記損害を賠償する責任がある。

1  被告北海道機材コンサルタント株式会社(以下被告会社という)は、加害車を所有し従業員である被告小鹿に運転させてこれを自己の営業のため運行の用に供していたもので本件事故はその運行によつて生じたものである。(自賠法三条)

2  被告小鹿は、前方注視を怠つた過失により本件事故を惹起せしめたのである(民法七〇九条)。

四、原告は本件事故により次のとおり損害を蒙つた。

1  財産的損害

(一) 交通費等金五万〇、六〇〇円。

原告は大学通学のため室蘭市の実家を離れ札幌市に居住していたが、本件事故による前記受傷のため札幌市内の病院へ入院することを余儀なくされた。このため、原告の肉親らが別表<省略>一記載の日時に同記載のような目的で室蘭市から札幌市まで出向くこととなつたものであり、これに要した交通費及び日当は同表記載のとおり合計金五万〇、六〇〇円となる。このうち交通費は肉親らが原告に代つて支払つているが、本来原告の負担すべきものであるし、また、日当は原告が肉親らに対して支払うべきものであり、かつそれら出捐は被告らの本件不法行為と相当因果関係にある。

(二) 入院費金二、七九六円。

(三) 附添費金七万四、七〇〇円。

前記入院期間のうち八三日間附添の必要があつたが、右は一日九〇〇円の割合により算出したその間の附添費である。

(四) 入院中の医師及び看護婦に対する謝礼費金七、八二〇円。

(五) 治療費金二八万〇、一二六円。

右は市立札幌病院への支払分金一五万八、二九七円、富士製鉄病院への支払分金一一万一、八二九円及び歯科治療代金一万円である。

(六) 留年による損失金四三万一、三〇〇円(授業料等の損失金四万七、三〇〇円、逸失利益金三八万四、〇〇〇円)。

原告は本件事故当時北海道自動車短期大学工業科一年在学中であつたが、本件事故のため休学を余儀なくされた結果、卒業が一年おくれ、そのため昭和四一年度の授業料金四万七、三〇〇円を余分に支払つた結果となつた。更に、原告は遅れずに就職していたならば少なくとも一ケ年間に金三八万四、〇〇〇円(月額賃金二万七、〇〇〇円、賞与二回分金六万円)の収入を得たはずであつたから、右卒業の遅延により同額の損害を蒙つたものということができる。

(七) 弁護士費用金一〇万円。

本件事故による損害賠償請求については被告らは示談交渉に応ぜず、賠償金支払の誠意が認められなかつた。このためやむなく訴訟提起に至つたものであるが、学生の身である原告本人では到底訴訟維持し難く弁護士に委任せざるを得なかつた。その費用は少なくとも一〇万円を要する。

2  精神的損害

慰藉料金一〇九万九、〇〇〇円。

原告が本件事故による傷害の治療の際、血清肝炎を併発し、その治療に一年間以上も要したこと、歯牙を欠損したため、日毎三度の食事に非常な不便をきたしたこと、本件事故による休学のため一年間卒業を延期せざるを得なかつたこと、被告らに損害賠償に対する誠意が全く認められないこと、などにより蒙つた原告の精神的苦痛に対する慰藉料は、金一〇九万九、〇〇〇円と認めるのが相当である。

五、原告は、自動車損害賠償責任保険金として金二八万八、三六八円の支払を得たので、これを右慰藉料の内金に充当した。

六、よつて、原告は被告らに対し連帯して右損害金総額金二〇四万六、三四二円から前記保険金の充当分金二八万八、三六八円を控除した残金一七五万七、九七四円およびうち弁護士費用を除いた金一六五万七、九七四円につき本件事故後である昭和四二年九月二五日以降、うち弁護士費用金一〇万円につき第一審判決言渡の日の翌日以降各完済にいたるまで年五分の割合による民法所定の遅延損害金の支払を求める。

第三、請求原因に対する答弁および抗弁

一、請求原因一の事実は認める。同二の事実は不知。同三1の事実は認めるが、その余の事実は否認する。同四の事実は不知。

二、仮に原告が本件事故による受傷により血清肝炎を併発したとしても、それは本件事故と相当因果関係にないものである。すなわち、血清肝炎は、肝炎ビールスB型により発病するものであつて、肝炎ビールスB型は、もつぱら血液中、血清中に存在して、輸血又は同一注射器の使用等により感染すること、その発病の頻度は昭和三五年度の統計において約一〇%であつたこと、この感染は、輸血用血液、血清の保存時の適正な処理により全面的に排除できるものであつて、売血制度の廃止された今日においては、ほとんどその発病が稀であること、などから考え合わせると、原告主張の血清肝炎の発病は、本件事故による受傷により輸血の必要を生じた結果によるものであるとしても、当該輸血用血液処理の不適正という担当医師の過失に基因するものであつて、本件事故により通常発生の予見される傷害と認めることはできず、また被告小鹿において特に予見可能な事情に基因したものでもない。

三、仮に本件事故につき被告小鹿につき過失があつたとしても、原告にも過失があり、この過失が本件事故の一因をなしているから、原告の損害額の算定に際して斟酌されるべきである。

第四、抗弁に対する答弁

抗弁事実は否認する。

第五、証拠関係<省略>

理由

一、被告らの責任原因

1  本件事故発生に関する請求原因一の事実及び被告会社が加害車の運行供用者であることは当事者間に争いがない。

2  成立に争いのない甲第一五、第一八、第一九、第二〇、第二三、第二七号証および原告本人尋問の結果を総合すると、被告小鹿は、本件事故現場附近を加害車を運転して進行中、前方約一〇〇メートルの左側車道上の地点に原告ほか一名の姿を認めたから、このような場合自動車運転者としては、前方を注視し、歩行者の動静につき細心の注意をはらうとともに十分自車と歩行者との間隔を保つて進行すべき業務上の注意義務があるにもかゝわらず、おりからビール二本程度を飲み酩酊していたため、注意力散漫となつていたことも重なつて、これを怠り約三〇メートル前方の交差点付近の交通状況に気を取られたまゝ進行した過失により自車の前照灯附近を原告の背面に衝突させたことが認められ、この事実によれば、本件事故は被告小鹿の前記過失に基因するものといわなければならない。

3  以上の事実によれば、被告会社は自賠法三条により、被告小鹿は民法七〇九条により、本件事故により蒙つた原告の後記損害を賠償する義務がある。

二、本件事故による原告の受傷及びその程度

本件事故により生じた傷害につき考察するに、成立に争いのない甲第二、第三、第一〇号証、証人高山寛の証言(第一、二回)により真正に成立したものと認められる甲第四、第三五、第四二号証、証人竹田保、町田利昭、高山寛(第一、二回)の証言及び原告本人尋問の結果を総合すると本件事故により原告が脳挫傷、頭皮裂創、顔面擦過傷、仙骨骨折の傷害を受け、本件事故当日の昭和四一年六月一日から同年七月二六日まで市立札幌病院に入院して手術、輸血等の治療を受け、同病院を退院したものの、右輸血が原因となつて血清肝炎を併発し、同年八月一三日から同年一二月二四日まで室蘭市の富士製鉄病院に入院し治療を受け、退院後も昭和四二年四月一日まで同病院に通院し(実治療日数一九日)その後同年九月一七日まで市立札幌病院に通院(治療日数約一三日間)したこと、このほか、原告は本件事故により歯牙外傷の傷害を受け八本の歯が折傷し、なお治療中であることが認められる。

被告らは右傷害のうち血清肝炎は医師が適正な処置を怠つたことによるもので本件事故は因果関係がない旨主張するが、前記甲第一〇号証証人竹田保、町田利昭の証言によると、本件事故による受傷が原因で原告が血圧降下、頻脈等の症状を呈したため、多量の輸血を必要としたが、前記のとおりその輸血が原因となつて、血清肝炎が発病したこと、今日の医学では輸血による血清肝炎の発病を完全に防止する有効な措置がなく、相当な予防的措置を講じてもその発病は必ずしも稀なものとはいい得ないこと、本件輸血に使用した血液の保存、注射器の消毒には、適正かつ細心の配慮がなされていることが認められ、これらの事実を考え合わせると原告の血清肝炎は医師の過失に基因するものではなく、本件事故による傷害に輸血が必要であつたと認められる以上、それが原因となつて血清肝炎が発病すれば、それと本件事故との間には相当因果関係が存するものと認めるべきである。

三、損害額

1  原告の治療費関係合計金二九万〇、七四二円

前掲甲第三五、第四二号証、証人高山寛(第一、二回)の証言により真正に成立したと認められる甲第三三、第三六号証、証人高山寛(第一、二回)および原告本人尋問の結果を総合すると、原告は前記受傷のため治療を受けた市立札幌病院へ金一五万八、二九七円、富士製鉄病院へ金一一万一、八二九円、山本病院(歯科治療)ヘ金一万円をそれぞれ治療費として支払い、入院中の雑費として金二、七九六円を支出したほか、入院中の謝礼の趣旨で市立札幌病院の医師看護婦へ合計金七、八二〇円相当の支出をしたことが認められる。このうち雑費についてはその入院期間(二一七日)から考えれば右程度の支出は当然予想することができるし、医師看護婦への謝礼もそのことの当否は別として長期入院患者の間ではかなり広く行なわれていることは否定することができないのであり、原告の入院期間から考えれば右支出をもつて特に著しく高額であると認めることはできない。従つて、治療費はもとより(血清肝炎が本件事故によるものであることは既に認定したとおりである)他の支出もいずれも本件事故と相当因果関係にある損害と認めて差支えない。

2  留年損失合計金四三万一、三〇〇円

前掲甲第三三号証、証人高山寛の証言(第二回)により真正に成立したものと認められる甲第三七、第三八、第四一号証、証人高山寛の証言(第一、二回)及び原告本人尋問の結果によれば、原告は本件事故当時北海道自動車短期大学一年在学中であつたが、本件事故による前記傷害の治療のため昭和四二年三月末まで休学を余儀なくされ、本来昭和四三年三月に卒業すべきところ、昭和四四年三月に卒業することとなつたこと、本件事故のあつた昭和四一年度の半期分授業料、学生自治会費等の諸経費合計金四万七、三〇〇円は本件事故当時支払済みであつたが、同大学の内規により原告が同年度の全期間を原告が受講しなかつたにもかかわらず、右授業料等は返還されておらず、復学後原告は昭和四二、四三年度の授業料等の諸経費全額を同大学に支払つたこと、原告は昭和四三年七月競争試験により札幌トヨタ自動車株式会社に採用が内定し、昭和四四年四月入社後同社から初任給二万八、九〇〇円、賞与年二回(一回分少なくとも金三万円)が支給される予定であること。原告はかねてから同社への入社を希望しており留年せずに昭和四三年三月卒業していれば、同社又は同種の自動車関係の企業に就職し以来引続き一年間少なくとも右程度の収入を得たであろうことが高度の蓋然性をもつて予測しうること(なお、昭和四三年における同社の初任給は金二万七、五〇〇円であつた)が認められる。この事実によると原告の支払つた昭和四一年度の授業料等の相当分金四万七、三〇〇円と一年間の留年により喪失した収入金三八万四、〇〇〇円(原告の主張に従い賃金月額金二万七、〇〇〇円、賞与金六万円((一回金三万円ずつ年二回支給))として算出)は本件事故による損害であると認めることができる。

3  近親者の交通費・日当合計金三万四、一〇〇円

前掲甲第三三号証、証人高山寛の証言(第一回)及び原告本人尋問の結果によれば、原告の父母妹弟が別表記載の日時に同備考欄記載の目的でその居住である室蘭市から原告が入院している病院の所在地である札幌市まで出向き、同記載の交通費を支出したことが認められる。そして前記一及び後記6認定のような原告の症状からみれば、右のような目的でこれら近親者が札幌市まで出向いたことは無理からぬものがあると認められるから、これに要した費用(交通費)は本件事故と相当因果関係に立つ損害であると認められる。また、それが近親者にとつて一種の労務提供と解せられるならばその日当についても相当額の範囲でこれを損害と認めて差支えないものと解すべきところ、原告の右近親者のうち成人である父及び母についてはこれを労務の提供と評価すべきであるが、母の昭和四一年六月一日分(別表1)の日当については後記4の附添費に含めて算定するのが相当であり、父の日当についてはその提供された労務が子に対するものであることを考えれば、一日金五〇〇円が相当であると認められる。以上により算出した交通費及び父の日当額は合計金三万四、一〇〇円(交通費金二万六、六〇〇円、日当金七、五〇〇円)となるが、これらの交通費の支出及び労務の提供がすべて子又は兄にあたる原告のためになされている以上、右金額はすべて本件事故により原告につき生じた損害と評価して差支えない。

4  母の附添費金四万円

前掲甲第三三号証、証人高山寛の証言(第一回)及び原告本人尋問の結果によれば、原告の母が、原告が市立札幌病院(昭和四一年六月一日から同年七月二六日まで)及び富士製鉄病院(同年八月一三日から同年九月一〇日まで)に入院中八三日間看病のため原告に附添つたことが認められるが、証人高山寛(第一回)の証言によるも右附添は原告にとつて「望ましい」ものであつたことは認められるにとどまり、それが絶対的に必要なものであつたとまで認むべき証拠はない。しかし、証人高山寛の証言(第一回)及び原告本人尋問の結果によれば、原告は本件事故直後入院した市立札幌病院では当初ギブスをはめていたため身動きすることができず、一ケ月後にようやく車椅子によつて歩行可能となつた状態であり、同病院退院後血清肝炎治療のため入院した富士製鉄病院では当初絶対安静を命ぜられていたことが認められ、かかる重症の未成年者の患者に母親が附添うことは無理からぬものがあるということができるからたとい完全看護の総合病院の場合であつてもこれを必要的な附添と同視しその労務提供に相当する対価を損害と認むべきであるが、本件においては、それが近親者間のものであることを考慮し、全期間を通じこれを金四万円と評価するのが相当である(なお右金額が原告につき生じた損害と認めるべきことは3において述べたところと同様である)。

5  過失相殺

以上1ないし4によれば、原告の本件事故により蒙つた財産的損害は合計金七九万六、一四二円となるが、前掲甲第二七号証によつて認められるように本件事故現場附近は歩道の区別のある道路であつたにもかかわらず前記一の2認定のとおり原告は車道を歩行中本件事故に遭遇したものであるから、原告にも本件事故につき過失がなかつたとは云えない。したがつて損害額については過失相殺すべきであるが、被告の過失と対比すると原告の右過失は軽度であるから前項財産的損害の一割について過失相殺するのが相当である。そうすると過失相殺後の原告の財産的損害額は金七一万六、五二七円となる。

6  慰藉料

原告が本件事故による前記のような傷害のため約六ケ月半に亘り入院しその治療による苦痛を味わつたこと、右傷害のため大学を休学し就職も一年間遅れざるを得なかつたことは既に認定したとおりであり、更に証人高山寛の証言(第一、二回)及び原告本人尋問の結果によれば、原告は今なお雨天の日などには頭痛を感じ、右足のしびれが残つて正座することができない状態で、今後の後遺症の発生に不安を感じ、以前趣味としていたスポーツも全くやらなくなつたこと、また、歯の損傷のため当初流動食しか摂取できず、満足な発音すらできない状態であり現在なお治療継続中であること、被告らがなんら本件損害の賠償について誠意を示さないことが認められる。他方前記のとおり本件事故については、原告にも責任の一端があることを考慮すると原告の精神的苦痛に対する慰藉料は、金九〇万円が相当であると認められる。

7  保険金の控除

原告が自賠保険により金二八万八、三六八円の保険金の支払を受けたことは、原告の認めるところでありその弁済充当の指定を慰藉料の内金に対してなしているが、これにつき被告らはなんら異議を述べないので原告の主張に従い右保険金を慰藉料から控除すると右慰藉料の額は、金六一万一、六三二円となる。

8  弁護士費用

証人高山寛、原告本人尋問の結果によれば、原告は弁護士馬見州一に本訴の提起追行を委任したことが認められるが、被告らが自己の損害賠償の責任を否定していることは本訴の経過に照らして明らかであるから、原告がこのような被告らを相手方として本訴を追行するには弁護士を委任しなければ、その権利の実現が困難であると認められる。従つてこれに要する原告の支払する弁護士費用は本件事故と相当因果関係に立つ損害であると認めるべきであり事案の内容訴訟の経過、当裁判所の認容損害額(弁護士費用を除く)などに照らせば、原告の主張する金一〇万円をもつて本件の弁護士費用として認めるのが相当である。

四、よつて以上各損害額を合計すると被告らが原告に対し損害賠償として支払うべき金額は金一四二万八、一九六円となるから、原告の本訴請求は、被告らに対し連帯して右損害金のうち弁護士費用を除いた金一三二万八、一六九円につき昭和四二年九月二五日以降、うち弁護士費用金一〇万円につき、本訴判決言渡の日の翌日である昭和四四年四月一九日以降各完済に至るまで年五分の割合による民法所定の遅延損害金の支払を求める限度で正当としてこれを認容し、その余を失当として棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法九二条、仮執行の宣言につき同法一九六条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 松野嘉貞)

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